RIETAN-2000: Carbon Application

現在配布しているRIETAN-2000アーカイブファイルrietan2000m.tbz中のrietanは,Absoft Pro Fortran for OS9でコンパイル・リンクしたCarbonアプリケーションです.Mac OS 8.6以降(Mac OS 8.X/9.XではCarbonLib機能拡張が必要)のもとで動きますが,安定性の高いMac OS X上での使用を推奨します.

Mac OS X上ではAquaインターフェースの外見をもつrietanが走ります.しかし,Exrietでrietanを起動することはできません.

従来のバージョンと異なり,マルチタスキングが可能となります.すなわち,rietanを走らせている最中にメーラー,ブラウザ,エディターなどのソフトをフォーグラウンドでスムーズに使用できます.ただしMac OS 8.X/9.X上では,rietanをバックグラウンド・プロセスにすると,きわめて遅くなってしまいます.他のソフトをしばらく使用しないでいたり,手動でrietanをフォーグラウンドに戻したりすると,フルスピードで動きます.

Mac OS 8.X/9.X上でのマルチタスキングは,予想外に便利です.自宅のiMac Special Edition(メモリー:256 MB)の場合,Internet Explorer,MS Word,Igor Pro,Jedit4を立ち上げた状態で,RIETAN-2000を動かしても大丈夫でした.リートベルト解析の最中に他の仕事をストレスなしに続けられるというのは,なんとも魅力的です.

Kaleidoscopeはスクロールを目立って遅くするので,外した方がいいでしょう.

これまでの経験では,フリーズしてしまったり,他のソフトがうまく動かなくなるようなことは一切ありませんでした.しかし,"An error occurred while saveing the text. System Error #-23."というエラーメッセージがMac OS 9.1上で,まれに出力されます.再現性はありません.Absoftにも問い合わせましたが,原因は不明のままです.一度このメッセージが出ると,以後,同じエラーが頻繁に発生します.Mac OS Xでは,このエラーはまったく生じません.

上記のエラーに遭遇したら,commandキーとピリオドキーを同時に押しながらreturnキーを押してrietanを止めます.その際,Commandキーは左手の小指,ピリオドキーは左手の人差し指で押すといいでしょう(女性にはきついかもしれません).

経験的にわかった対症療法は次の二つです.いずれか一つを試みてください.

  1. すでに起動済みの他のソフトを終了させたり,他のソフトを新たにダミーとして起動したりすると,エラーが再発しにくくなります.エラーなしに動くようになるまで,共存するソフト(ゼロも含む)の組み合わせを変えてみてください.
  2. 再起動し,他になにもソフトが動いていない状態でRIETAN-2000を走らせます.

こういうナンセンスな療法が功を奏するということ自体,どうもMac OS 8.X/9.X + CarbonLib(不具合が多いので有名)のメモリー使用法に問題があるような気がします.OSひいてはCarbonLibのバージョンアップとともに消失する不具合かもしれません.

もともとRIETAN-2000はMac OS上で開発しました.2000年8月1日にRIETAN-2000をリリースして以来,とぎれることなくポリッシュアップに邁進してきました.このCarbonアプリケーションは,これからも綿々と続く改良における重要な一里塚となるでしょう.